『ザ・シンプソンズ』において、シンプソン家の隣に住むネッド・フランダース(Ned Flanders)は、主人公ホーマー・シンプソンとはあらゆる面で正反対の隣人です。

ホーマーが「怠慢、不摂生、怒り」を象徴するなら、フランダースは「勤勉、健康、慈愛」を象徴しています。
しかし、その完璧すぎる善人ぶりが、かえってホーマーの神経を逆なでし、シリーズ屈指のコミカルな対立構造を生み出していますね。

今回は、フランダースの口癖や性格、仕事、そしてホーマーとの奇妙な関係について詳しく解説します。
隣人ネッド・フランダースとは?「完璧な善人」の素顔
ネッド・フランダースは、スプリングフィールドで最も信心深く、道徳的な市民として描かれています。
独特な「フランダース語」:Okily-Dokily!
フランダースを象徴するのが、言葉の端々に「diddly(ディドリー)」などを挟む独特の喋り方です。
「Okily-Dokily!(オキリ・ドキリ!)」: 「了解!」や「いいとも!」という意味。
「Hi-dilly-ho, neighborinos!(ハイ・ディリ・ホー、お隣さん!)」: 隣人への親愛を込めた挨拶。
この過剰に丁寧で明るい喋り方は、日本語吹き替え版(稲垣隆史さん)でも見事に再現されており、彼の温厚(かつ少しイラッとさせる)な性格を象徴しています。
左利き専門店「レフトリウム」の経営
彼はショッピングモールで、左利きの人専用の道具を扱う専門店「レフトリウム(The Leftorium)」を経営しています。
一時は経営難に陥りますが、ホーマーの(珍しく)良心的な助けによって救われるエピソードもあり、彼の真面目な仕事ぶりが描かれています。
ホーマーと隣人「一方的な」ライバル関係?
ホーマーは、フランダースのことを「Stupid Flanders(バカなフランダース)」と呼び、嫌悪しています。
しかし、その理由はフランダースが悪いからではなく、「自分より優れていることへの嫉妬」がほとんどです。
「ステューピッド・セクシー・フランダース」
ホーマーが特に屈辱を感じているのが、フランダースの驚異的な肉体美と家計の余裕です。
肉体: 普段は地味な緑のセーターを着ていますが、脱ぐと腹筋がバキバキに割れたマッチョ体型。
これを見たホーマーが発した「Stupid Sexy Flanders!(バカな色男フランダースめ!)」というセリフはネットミームにもなりました。
家庭: 常に礼儀正しい子供たち(ロッドとトッド)に囲まれ、平和な家庭を築いている姿は、ホーマーにとって最大のコンプレックスを刺激する存在なのです。
悲劇を乗り越えるネッド:最愛の妻モードの死
常に明るいフランダースですが、シリーズの中では最も悲劇的な経験をしたキャラクターの一人でもあります。
シーズン11で起きた「モード・フランダースの死」
彼の最初の妻、モード・フランダースは、シーズン11・第14話において、レース会場での不慮の事故(Tシャツキャノンが直撃してスタンドから転落)により、この世を去ってしまいます。
原因の一端: 実は、この事故を誘発したのはホーマーの不用意な行動でした。
その後: 信仰心を揺るがされながらも、フランダースは男手一つで息子二人を育て上げます。
後にエドナ・クラバーペル(バートの担任教師)と再婚しますが、彼女を演じた声優の逝去により、再び独り身になるという過酷な運命を辿っています。
温厚な隣人ネッド・フランダースがブチ切れたエピソード
ネッド・フランダースが「キレた」回として有名なのが、シーズン8・第8話「ハリケーン・ネディ(Hurricane Neddy)」です。
限界の引き金:善意が生んだ「欠陥住宅」。巨大なハリケーンでネドの家だけが全壊。途方に暮れる彼のために、町の人々が善意で家を再建してくれます。
しかし、素人の集まりで作った家は、廊下が極端に細かったり、トイレがキッチンにあったりと、住める状態ではない超欠陥住宅でした。
伝説の「毒舌」シーン
ついに堪忍袋の緒が切れたネドは、集まった住民たち一人一人に、普段なら絶対に言わない猛烈な罵声を浴びせます。
- 「レニー、お前が誰だか知らんが、お前のことが嫌いだ!」
- 「マージ、お前はただの退屈なお節介焼きだ!」
- 「ホーマー、お前はこの世で出会った中で最悪の人間だ!」
あのネッドが、純粋な怒りで町中を震え上がらせたこのシーンは、ファンの間で今も語り継がれる名場面です。
物語の後半では、ネッドがなぜあんなに過剰に温厚なのか、そのトラウマ的な過去も明かされます。
幼少期の自由奔放すぎる両親への反発から、「怒り」という感情を完全に封印して生きてきた結果、あの大爆発が起きてしまったのです。
普段の隣人ネッドフランダースからは想像もつかない彼の人間臭い一面が見られる、シンプソンズ屈指の傑作エピソードです。
まとめ:フランダースはスプリングフィールドの「良心」
ネッド・フランダースは、ホーマーの引き立て役であると同時に、シンプソンズという作品における「良心」と「忍耐」の象徴になっています。
ホーマーとの関係: どんなにホーマーに嫌がらせをされても、彼は「愛の教え」に従い、良い隣人として許し続けます。
存在意義: 彼の存在があるからこそ、シンプソン一家の破天荒さが際立ち、同時に「どんな人間でも隣人として共生できる」という作品の裏テーマを支えています。

次にフランダースが登場した時は、彼の「Okily-Dokily!」という挨拶の裏にある、驚異的な忍耐力と肉体美に注目してみてください。
ネッド・フランダースに関するFAQ
Q: フランダースは何歳ですか?
A: 実は60歳という設定が登場したことがあります(シーズン10)。健康的な生活と信仰のおかげで、信じられないほどの若々しさを保っているというジョージです。
Q: ホーマーと仲良くなるエピソードはありますか?
A: はい。シーズン5の「Homer Loves Flanders」など、ホーマーが一時的にフランダースを大好きになり、逆にフランダースが困惑するという名作エピソードも存在します。


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