世界中の国や文化をブラックジョークでいじり倒す「シンプソンズ」。

ブラジル、オーストラリア、イギリス、フランス……被害(?)にあった国は数知れず。
そして、我が国日本も例外ではありません。

シンプソンズ一家が日本へ旅行に来るエピソードが存在することをご存知でしょうか?
タイトルは、シーズン10第23話『Thirty Minutes over Tokyo(邦題:30分間東京の旅)』。
しかし、ディズニープラス(Disney+)でシーズン10を開いても、第23話は見当たりません。
そう、この回は日本国内での放送・配信が事実上「禁止」されている、数少ない封印エピソードの一つなのです。
今回は、なぜこの回が見れないのか?日本をディスりすぎたから? それとも、あの「事件」のパロディが原因?
シンプソンズ幻の日本放送禁止エピソードについて、わかりやすくまとめてみました。
シンプソンズ幻の日本旅行回『30分間東京の旅』とは?
1999年にアメリカで放送されたこのエピソード。
ホーマーたちが格安航空券を手に入れ、東京へバカンスに来るというストーリーです。
どんな風に描かれている?
シンプソンズ流の「勘違い日本」が炸裂しています。
| 四角いスイカ | 1個150ドル(約2万円)もする高級品として登場。 |
| ハローキティ工場 | なぜか製品が動いている? |
| カブキ・ホテル | 障子が薄すぎてプライバシー皆無。 |
| 相撲観戦 | ホーマーが力士と乱闘騒ぎに。 |
これだけなら「よくある海外アニメの日本描写」で笑って済ませられるレベルです。
しかし、この回には日本のテレビ局や配給元が「これは放送できない」と判断せざるを得ない、決定的なシーンが含まれていました。
シンプソンズ日本で放送禁止になった「3つのタブー」
なぜディズニープラスでも配信されないのか。理由は大きく分けて3つ考えられます。
1. 「ポケモンショック」の過激なパロディ
最大の理由はこれでしょう。
一家が日本のホテルでテレビをつけると、『Battling Seizure Robot(発作を起こす戦うロボット)』というアニメが流れています。
画面上でロボットの目が激しく点滅し、それを見たホーマーたちが床に倒れて痙攣(けいれん)するというシーンです。
これは1997年に実際に起きた「ポケモンショック(ポリゴン事件)」を明確にパロディ化したものです。
日本国内では多くの子供たちが病院へ運ばれた深刻な事故であり、それを「笑いのネタ」にすることは、放送倫理的にも心情的にも、日本では受け入れ難いものでした。
2. 天皇陛下への不敬描写
物語のクライマックス、ホーマーは相撲の試合に乱入し、横綱を投げ飛ばしてしまいます。
さらに勢い余って、貴賓席に座っていた天皇陛下(と思われる人物)まで投げ飛ばし、スモウ・パンツ(まわし)の中に閉じ込めてしまうのです。
アメリカの感覚では「権力者風刺」の一つかもしれませんが、日本では皇室をこのように描くことはタブー中のタブー。
仮にポケモンネタがなくても、このシーンだけでお蔵入りは確定だったと言えます。
3. 残酷なバラエティ番組
一家は帰りの飛行機代を稼ぐために、日本のテレビ番組『Super Happy Smile Show』に出演します。
しかしその内容は、「火山に吊るされる」「サソリに刺される」といった、かつての過激な日本のバラエティ番組を皮肉ったものでした。
司会者が「私の望みは、他人を身体的に傷つけて楽しむこと!」と叫ぶなど、日本のメディア文化に対する辛辣な批判も込められています。
シンプソンズは日本が嫌い?
これだけ聞くと、「シンプソンズは日本が嫌いなのか?」と思うかもしれません。
しかし、ファンとして断言しますが、決してそうではありません。
シンプソンズのスタンスは「全方位に喧嘩を売る」こと。
自国アメリカの大統領やキリスト教、FOXテレビ自身ですら容赦なくネタにします。
ブラジル回では「国中がジャングル」と描いてブラジル観光局から抗議されましたし、オーストラリア回では首相を侮辱して問題になりました。

つまり、日本だけが特別扱いされたわけではなく、「シンプソンズの洗礼を受けた」と考えるのが正しいのです。
シンプソンズ日本放送禁止エピソードはどうすれば見れる?
残念ながら、日本の正規ルート(ディズニープラス、FOXチャンネルなど)でこのエピソードを見る方法はありません。
日本語吹き替え版も制作されていないと言われています。
唯一の視聴方法は、「海外版(北米版など)のDVD」を入手することです。
リージョンフリーのプレイヤーが必要になりますが、英語音声でなら、あのクレイジーな東京旅行を確認することができます。
まとめ:シンプソンズ幻のエピソードは「配慮」の結果
シンプソンズ幻の日本放送禁止エピソード『30分間東京の旅』が見れない理由は?
日本を攻撃するためではなく、「日本の視聴者が不快に思うであろう要素(光過敏性発作や皇室描写)」への配慮の結果と言えます。
内容自体は、ウディ・アレンも真っ青のブラックジョーク満載で、シンプソンズらしいキレのある回です。

個人的には見てみたいエピソードでもありますが、現状、配信の予定はないようですね。


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